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第102回草月いけばな展

只今、草月会館では第102回草月いけばな展が開催されております。私の出品する6期は29日までとなります。

今回の今村草玉の作品制作にはふたつの条件を付けました。ひとつは、「伐採されたアオノリュウゼツランの葉」を使うこと、もうひとつは医療従事者に感謝を伝えるブルーの色を作品に取り入れることです。

我孫子の方々が60年かけて見守り続けたアオノリュウゼツランに花が咲き、それが先日伐採されました。これは2021年8月28日の朝日新聞の記事になりました。ご縁があり、何とその伐採されたアオノリュウゼツラン葉を頂戴でき、作品の素材として使わせて頂きました。

8メートルにも伸びた花茎が伐採され、残ったのは一本が大ダコの足のように太く重く、荒れ狂った葉でした。手をかけているうちに、その荒れ狂っていたリュウゼツランの葉は徐々に丸みを出し、そこに医療従事者に感謝としてのテーマカラー色の優しい空色のかすみ草を加えましたら、荒れ狂った波が突然収まったかのようにリューゼツランはしっとりと作品に馴染んでくれました。そして凛とした気品まで漂わせてくれました。その写真が下の写真です。

あれほどまでに荒々しかったリュウゼツランがこれほどまでに優しくなってくれるとは思いもしませんでした。

撤去の日の29日、リュウゼツランはより一層優しくなって、この展覧会の舞台を喜んでいるようにも感じました。

年を重ね役目を終えたものにも、その年月を超えただけの強さとそこはかとなく漂う威厳と輝きを感じます。もし又このようなリュウゼツランに出会う機会があったなら、真っすぐにその生命力だけを見つめることに絞り表現したいと思います。

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